荷重対応したグレーチング蓋・側溝類は破損するのか?
従来側溝やグレーチング蓋は、使用される道路の設計条件に対応した構造性能を有した規格が適用されるため、劣化することはあっても、破損することはありません。しかし実際には側溝コンクリート部やグレーチング蓋が破損してしまったという話を聞くことがあります。そのようなことが起こることとして、考えられる原因例を幾つかご紹介します。
①横断側溝上で大型車がハンドルを切る
カーブ手前や、施設への乗り入れ部などに横断側溝が設置されている場合、車両が横断側溝上でハンドルを切る可能性があります。横断側溝は車両の直載や近接時の荷重に対して構造設計されておりますが、この場合のように、表面に想定されていない摩擦が生じることで横断側溝にはひねりが生じることとなり、グレーチング蓋の破損、コンクリート表面の剥落が生じる場合があります。特に通行量の多い箇所ではこの原因による破損・劣化の報告が多いです。
②勾配変化点で過度な衝撃が加わる
勾配変化点などに横断側溝が設置されている場合、車両の跳ね上がりなどにより、通常通過するケースとは異なる衝撃が加わり、横断側溝を痛める場合がございます。
その他、粉塵の多く発生する箇所、山間部などではゴミや砂利・砂がグレーチングの目に詰まり、そこを車両が通過することで局所的に過度な荷重が加わり、破損に繋がることも考えられます。
設計条件+現場条件を考慮した工法の選定を。
使用する箇所の車両通行状況を予測し、適切な工法を予め選定しておくことで、これらの劣化を未然に防ぐことが出来ます。下の写真はグレーチング破損を防ぐ為に、縞鋼板蓋に変更した事例です。
鋳鉄製蓋が側溝に一体となった横断側溝で劣化防止(HT横断側溝)
耐久性(耐摩耗性・引張強度・硬度)の高い鋳鉄製蓋を側溝に固定することで、大型工業施設などの大型車が頻繁に走行する箇所や、蓋上でタイヤのひねりが生じる箇所での劣化を解消します。側溝天端は路面表面に出ない形状となっており、側溝・蓋双方の劣化を解消するとともに、繰り返し通行で発生するボルトの緩みが原因で起こるガタツキ騒音も発生しません。
縦断勾配に沿った側溝の設置(FR横断側溝)
半円状の底部を有し、専用ベースと組み合わせることで縦断勾配に無段階に調整できる側溝です。縦断勾配の変化を解消できるため、衝撃からなる側溝、グレーチング蓋の劣化を解消すると共に、走行車両への衝撃、騒音の解消を実現します。