道路空間の利活用
道路空間は自動車の安全かつ円滑な通行を主たる目的とされていましたが、社会・経済情勢の変化に伴い、その利活用に関するニーズも変化しつつあります。道路に対する価値観やニーズは多様化、生活環境に対する意識も高まっています。そこで、道路空間のあり方を再構築することで、地域における賑わいの創出や、まちづくり、道路交通の安全確保を実現する取り組みが行われています。
【道路空間の利活用として主な施策例】
・歩行空間の拡大による、車優先の道路から歩行者や自転車優先の道路への再構築
・オープンカフェ、マルシェ等の道路空間の多目的利用
・パーク&ライドなどを用いた公共交通機関の利用促進
・路上や路外での荷捌き空間の創出や駐車場への誘導により車両駐車の効率化
歩行空間の拡大による道路の再構築
車道の一部を利用し、歩行者のスペースとして活用することで、歩行者の滞留を促し、街に賑わいを創出する。この施策の一環として、『パークレット』という施設が利用されています。
パークレットとは?
パークレットとは、アメリカのサンフランシスコが発祥と言われる、車道の一部を転用して作られた歩行者の為の空間のことです。都心や商店街の新たな憩いや賑わいの創出を目的に設置されます。日本では平成28年に神戸市三宮で、三宮周辺地区の「再整備基本構想」により、初めて設置されました。同構想において、「笑顔で歩く 歩くことが楽しく 巡りたくなるまちへ」という方針に基づき、パークレット整備が実行されました。平成28年以降、日本各地において「社会実験」としてパークレットは設置されており、歩行者の憩いの場として多くの方に利用されていました。
東京都渋谷区 宮益坂 兵庫県神戸市 三宮中央通り
どこに設置されていたのか?
各地で行われていた社会実験の一環として設置された事例、現在設置を継続している常設の箇所があります。(以下参照リンク)
【社会実験】
・SHINJUKU STREET SEATS(東京都新宿区 新宿通り)
【常設】
南伊勢町パークレット(愛知県名古屋市 南伊勢町)
事例①KOBE Parklet(兵庫県神戸市 三宮中央通り)
三宮中央通りは、三宮と元町をつなぐ歩行者ネットワークの重要な路線で、これまでも三宮中央通りまちづくり協議会が主体となり特色あるまちづくりに取り組んできました。今回の社会実験で設置されたパークレットは、ウッドデッキ・ベンチ・パラソル・芝生などで憩いの場を演出し、一人でもグループでも楽しめる空間となっています。
本パークレットは、以下の構造により構築されています。
①可動式施設:地域が設営や取り外しを行う施設。パラソルなど
②固定式施設:床材とボルトで連結した施設。スツール、ベンチ、植栽、横断防止施設など
③囲い :利用者の安全性を重視し、車両衝突にも抵抗出来るガードパイプを内蔵。
人口木材により囲い、上部にはうるおいを感じさせる植栽プランターを設置。
④床材 :約90cm四方のユニットデッキで構成し、汎用性を確保。下部に束剤を
設置することで、様々な高さや勾配の調整も可能。人口木材デッキ、スロープ等。
施工中の様子
(資料提供:日本興業株式会社)
事例②御堂筋パークレット(大阪府大阪市 御堂筋)
大阪のシンボルストリートである御堂筋。完成80周年を迎え、御堂筋の将来像を可視化すると共に、賑わいと憩い空間のあり方などを検証するために、社会実験としてパークレットが設置されました。日常ではビジネスマンの憩いの場として会話を楽しむ場として利用され、イベント時には観覧場所になるなど、憩いと賑わいを創出するパブリックスペースとして活用されていました。
KOBE Parkletと同様の構造で構成されています。それぞれ、車道の一部を利用して設置されているため、万が一車両衝突時にも安全であるように、防護柵設置基準の要件を満たした防護柵が内蔵されています。
施設に内蔵されている防護柵
(資料提供:日本興業株式会社)
自在R連続基礎の活用
ここまでご紹介したパークレットの施工現場の内、以下の箇所に囲いとして自在R連続基礎を御採用頂きました。
ハニカムスクエア(静岡県静岡市 呉服町通・七間町通)
自在R連続基礎を利用いただくことで実現可能なことは以下のとおりです。
①安全性の確保
車両衝突時の安全を考慮されている製品です。万が一の車両衝突から歩行者及びパークレット利用者の安全を確保します。
②自由な空間の創出
基礎は自由な角度を持って連結することが可能です。(最大90度折れでの接続も可能)憩いの場として様々なデザインの空間の創出が可能となります。
パークレットに関する施工実績の詳細はこちら↓
自在R連続基礎を活用した憩いのある街づくり(pdf)
自在R連続基礎の製品情報はこちら↓