強風により工事用フェンスが倒壊

2026年8月、台風15号が関東地方を通過した際、高速道路で工事用のフェンスが強風によって倒れ、走行中の車両がその下敷きになる事故が発生しました。

報道によると、2026年8月11日午後8時20分ごろ、栃木県下野市の北関東自動車道・東行きで、「北側のフェンスが倒れていて、スポーツカーが挟まれている」と警察に通報がありました。

警察によれば、壬生インターチェンジと宇都宮上三川インターチェンジの間で、工事のために設置されていたフェンスが約200~300mにわたって倒れ、走行中の車がその下敷きになったとのことです。車に乗っていた20代の男女にけがはなく、フェンスは台風に伴う強風によって倒れたとみられています。また、事故により同区間は一時通行止めとなりました。

幸いにも人的被害はありませんでしたが、この事故は、道路上に設置される防護柵やフェンスについて、改めて「設置後の安定性」を考えるきっかけになるのではないでしょうか。

 

防護柵に求められるのは「衝突に耐えること」だけではない

道路の安全を守る防護柵には、車両の衝突など、さまざまな外力に対して所定の性能を発揮することが求められます。

そして、屋外に設置される以上、考えなければならないのが「風」です。

台風や強風が発生したとき、防護柵そのものが十分な強度を持っていたとしても、それを支える基礎が動いたり、転倒したりすれば、本来期待される役割を果たすことができません。

つまり、防護柵の安全性を考えるうえでは、

「柵そのものの強さ」だけではなく、「柵を支える基礎が外力に対して安定しているか」

という視点も重要になります。

工事用フェンスを取り付けた自在R連続基礎

風荷重に耐えられる構造としてフェンス基礎へ自在R連続基礎を適用した事例

 

自在R連続基礎は「連続構造」で外力に抵抗する

株式会社イビコンの「自在R連続基礎」は、ガードレール・ガードパイプなどの防護柵を設置するための連続基礎です。

自在R連続基礎の大きな特徴の一つが、基礎を連結して使用する「連続構造」です。

当社では、車両衝突時の荷重に対して、連続した基礎全体で抵抗するという考え方に基づき、安定計算を行っています。製品カタログでも、連結構造によって荷重を伝達し、基礎全体で抵抗する考え方を示しています。

これは、単に「重いコンクリートブロックだから倒れにくい」という考え方ではありません。

どのような外力が作用するのか、その外力に対して基礎がどのように抵抗するのかを確認し、必要な安全性を計算によって検討することが重要だと私たちは考えています。

「風に強い」を感覚ではなく、計算で確認する

弊社では自在R連続基礎について、風荷重を考慮した安定性の検討を行いました。

社内で設定した条件に基づき、基礎に作用する風荷重を算定し、基礎の重量や設置条件などを考慮して安定性を確認しています。

その結果、当社が設定した計算条件において、風速40m/sまでの風荷重に対して、自在R連続基礎の安定性を確認することができました。

※充実率44%ネット、フェンス高さ1.5m、自在R連続基礎A型を使用した場合の数値です

※仮定した特定条件に基づいた計算結果ですので、詳しくは<お問い合わせ>ください。

もちろん、実際の現場では、基礎の種類だけでなく、防護柵の高さや形状、設置場所、風を受ける面積、路面条件などによって作用する力は変わります。

そのため、「どんな条件でも絶対に倒れない」という意味ではありません。

重要なのは、現場条件に応じて必要な安定性を検討し、その根拠を持って製品を選定することです。

 

「もしものとき」に備える基礎へ

今回の事故では、幸いにも乗車していた方にけがはありませんでした。

しかし、台風や突風は、私たちが日常的に想定している以上の力を構造物に作用させることがあります。

防護柵は、道路を利用する人の安全を守るための設備です。

だからこそ私たちは、通常時に「立っている」ことだけではなく、強風や衝突など、想定される外力に対して設置状態を維持できるかという視点から、基礎の安全性を考えていきたいと考えています。

自在R連続基礎は、連結構造による外力への抵抗と、安定計算に基づいた設計によって、防護柵を支える「基礎」としての役割を追求しています。

「置くだけだから簡単」ではなく、
「置いて使うものだからこそ、安全性を計算する。」

それが、私たちイビコンが考える自在R連続基礎です。

防護柵の設置をご検討の際は、ぜひ基礎の安定性についても一度ご相談ください。